隠久日記
代打
白黒写真を撮っている愛用カメラが故障、二年で三回の災難である。中古デジカメと言えど愛用なのでしつこく直して使う。それを修理に出している間は、作品複写用の無愛想で大ぶりな仕事カメラで撮影か、古い写真の流用で凌ぐこととなる。 パリでの個展期間中に借りていたアパートはサンジェルマンデュプレに近く、その教会の前では...
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白黒写真を撮っている愛用カメラが故障、二年で三回の災難である。中古デジカメと言えど愛用なのでしつこく直して使う。それを修理に出している間は、作品複写用の無愛想で大ぶりな仕事カメラで撮影か、古い写真の流用で凌ぐこととなる。 パリでの個展期間中に借りていたアパートはサンジェルマンデュプレに近く、その教会の前では...
雨上がりの湿気が作る独特の階調が心地良い。梅雨時とは違い気温が低いので尚更だ。 随分昔の事だが、夏場の気象の関係で、木々が紅葉せず褐色に枯れ落ちる年があった。しかし、それはそれで歩道に溜まった葉の微妙な階調がとても美しく思えた。これを良く覚えているのは、そのことを同僚講師に語った時の怪訝そうな顔のせいである...
青色本の抜き書きを読んでいて雷に打たれたような気持ちになった。既に二度は目を通していたはずだが、見過ごしていたと言うより何も理解していなかったのだろう。 しかし、やっと三度目で本当に理解したのかと言えば、たぶんそれも怪しい。心理的衝撃は覚えていても、何が分かったのか思い出せなかった。もう一度読み直して見よう...
若い頃は仏教に無関心であったが、仏像は好きだった。観音像では、百済観音に始まり、薬師寺の聖観音、東大寺三月堂の不空羂索観音などは機会があれば繰り返し見てきた。 しかし、いつもは車で通り過ぎている道ばたで先日見つけたこの「馬頭観音」には驚いた。気持ちが落ち着くまで暫くの間、私にとって世界最高の観音像になってい...