新作のタイトルを巡って

コーヒーショップ

来月の個展で発表する連作のタイトルで悩んでいたら、タイトルを付けられないと諦めたとたん、そのことからタイトルが決まりました。

もともと、この個展をすること自体不思議なのです。何しろ2年前にもう引退するしかないと思い詰めたのに、結局、一昨年、昨年、そして今年と3年連続で個展を開くのですから。

考えていたことと逆のことが起こるものです。新作のタイトルに関して、本来無題のものへ、エミリー・ディキンソンの詩から言葉をもらって、絵の膨らみを持たせようとしていました。

しかし、どうしても作為的で無意味な接ぎ木のように思え納得できない気持ちが消えませんでした。それで、率直に題名なし(エチュードで良いかと)、どう思うかは見る者に任せるとしたのです。

すると、タイトルは見る人が想像すると言うことから連作のタイトルが浮かび上がって来たのです。それは不安定だった作品自体の方向性もハッキリさせました。このことは、ここ数年の役に立つか分からないある継続的努力の成果でもあったし、忘れていた20年前の実らなかったアイデアだったので少しばかり嬉しくも感じています。

この新しい作品群はまだ4点が出来ただけで、展示を考えるとあと最低5点は欲しいので、もうあまりのんびりとはしていられません。