続・絵画の規格化

池

前にも言いましたが、絵のフォーマットをA4と決め、さらに中の図柄域を縦横限定しておけば、額縁やマット紙を使い回すことができます。

そして、現在の高度に進化した技術によって、個人でも導入できるようになった高性能プリンターあり、高品質のデジタルプリントを安価で提供することが可能です。

また、今はもう私のような年配者でも、特別な専門知識なしでネットショップを開けますから、そこで製造直販すれば、低い価格設定でも利益を上げられます。宣伝もSNS等ネットの利用で多額の広告費を掛けずともよいでしょう。

しかし、問題は根本的にその需要がないと言うことです。美術館や画廊での展覧会・個展を訪れる人々がいるでしょう。何十万・何百万円、それ以上の絵を求める極少数の富裕層もいるでしょう。

特に絵の関心のない人も、自宅を新築したりすれば玄関やリビングの空いたスペースに絵でも掛けようかと思うでしょう。でも、一旦絵を飾ればそれで終わり、掛け替えのために絵をコレクションする人は希です。

なまじ絵の好きな人は、良質の絵の多くは高額なのを知っていて、自分が絵を購入しコレクションを持ち、掛け替えて楽しむことなど諦めていると思います。

たぶん、ここが先ほど需要がないと言いながら、実はそれは表面で潜在的需要が潜んでいるかもしれない希望なのです。音楽の好きな人がCDを買うように、文学が好きな人が小説を買うように、同じ経済的ハードルで絵を買えるようにする。

これからは、自分の絵の販売を工夫をするだけでなく、需要の掘り起こしが必要なのだと思います。