
難攻不落で途中放棄かと思われたジョイスの「フィネガンズウェイク」をとにかく読み通しました。当然のことですが、活字を目で追って読みを確認していっただけで「理解」した分けではありません。
巻末で大江健三郎氏が語っているように、辞書を傍らに置いて1行1ページずつ30年くらい掛ければ「理解」も不可能ではありません。ヴィトゲンシュタイン全集もあるので、これで100歳を超えても、退屈して時間を持て余すことはないでしょう。
カブトムシや鳩に生まれたのではなく人間をやってきたわけで、人類の遺産を味わわないで終わっては、ニワトリのように飛ばないで生活する鳩です。
美術では、システィーナ礼拝堂やゲルニカを見てから人生を終わりにしたいと思っても、経済的ハードルは高いし長旅に耐える体力も必要です。しかし、文学なら経済的にも体力的にも大きな負担はありません。
それから、こんなことを考えるのは少数派のようで、古典となった史上に残る文学が読みやすい単行本で出ることがあまりありません。読みたい本は早めに手に入れたおいた方がよいでしょう。特に、字の小さい文庫本や、違和感の消えない電子書籍が苦手な私のような老人は尚更です。
お気に入りの大きい活字のワイド版岩波文庫も品切れ増刷未定となることがあるので注意が必要です。「フィネガンズウェイク」の後、次は「三国志」かなと思い岩波サイトで調べてみたら一部残りわずかとなっていたので、急ぎ「三国志」全8巻を注文しました。
また、仕事で長くやっていた源氏物語のカウンターとして枕草子(新潮社の全集で既に手元にあります。)、万葉集のカウンターとして新古今和歌集(こちらも同様です。)も読んでみようかと思っています。それから、実は、このところのジョイス体験は仕事のヒントとなっているのです。新古今和歌集の本歌取りもですが。