
遙か昔、子供の頃、母親から勉強の一環として本を読むことをうるさく言われたものです。勉強嫌いの私は気のない返事をして先送りにしたり、読んでいるふりをしたり、ごまかしていました。
また、学校では読書感想文と言うものがあり、仕方ないので、あとがきとかを参考にして、本文は読まず何とかして感想文をでっち上げる工夫に余念がありませんでした。
そして、高校を卒業、親元を離れるともう読書を催促されることはありません。しかし、なんと本を読む習慣のなかった自分が猛然と読書を始めたのです。
きっかけはNHKのテレビドラマで、夏目漱石の小説、たぶん三四郎だったと思いますが、を元にしたものでした。そのころ友人との間で青木繁が話題になっていて、漱石の小説の中に青木繁の絵が出ていることを知ったのです。
それまでの私は、典型的なテレビっ子、中学ではマンガ、高校は美術部と、本、特に文学とは全く縁のない生活を送ってきました。それが、テレビと美術から夏目漱石の小説に繋がりました。
興味が沸いたのは良いのですが、文学に関する知識がないので、何を読んで良いか分からず、歴史の教科書に出てきた作家のものを、新潮文庫で、単に書店で並んでいる順に読んでいきました。最初は夏目漱石を文庫本化されているもの全部、次に芥川龍之介、森鴎外、ドストエフスキー、トルストイと続き、数ヶ月は絵も描かないで読んでいました。
困ったのは、子供の頃に読書の訓練がされていないので、読むのが遅いこと、文学や書物と言うものが好きになった今も心理的な壁が残っています。と言うわけで、読書が好きになった今でも本を読むことは楽ではない苦手な行為なのです。