
私がデッサンの指導をしている地方の専門学校が、校舎を新築しました。十階建てでけっして高層建築ではないでしょうが、相対的に、アート系の学校校舎としては、私のような古い人間にとってけっこうなインパクトです。
写真は、教室から外を見た風景。デッサンの授業にある透視図法の素材としても使えそうです。ただ、デッサンの専用教室はずっと下の階で、何かしらのやり繰りは必要でしょう。
しかし、現代的なデッサン教室に並んでいる石膏像を見ていると、隔世の感があります。かつて自分が高校の部活動で絵を描いていたところや、美術系予備校、美術大学、どこと比べてもこれほど快適な場所で石膏デッサンをしたことはありません。(予備校も大学も一応それなりのところでした。)
何しろ、美術大学には、学生の間で牛小屋と呼ばれていた実習室もあり、冷暖房設備など夢のような世界で、夏期に熱中症で倒れる話を何故聞かなかったのか不思議です。
では、ひどい教育を受け散々だったかと言うと、そうは思えず、今の自分の基礎的な部分(ポジティブな内容)はそこで得たものです。ですから、この新しい校舎を意味あるものにできるかどうかと考えた時、そこで指導にあたる自分の責任は重いものだと思っています。
