
春の交通安全運動の季節でしょうか。警察官だけではなく年度初めの忙しい中、ボランティアの人々も、交差点や横断歩道のそばに立ち子供たちを見守っています。
そんな様子を見て、かつては素朴にボランティアをする方々に感心をしていました。しかし、実情は少し違って、私の住む地域の特殊性かもしれないのですが(だったら良いのですが、)、町内会の組織を利用した、半ば強制的なボランティアなのです。
年度替わりの頃になると、町内会は地区の交通安全協会から委託を受けた「地域の尊敬を集める立派なお爺さん」のところへ、町内会構成員の数に応じて決められた人数の委員名簿を出すよう求められます。これにより確実に交通安全運動の参加者が確保できるという分けです。
そして、これは交通安全協会に限ったことでなく、高邁な思想を感じさせるいくつかの著名な外部組織も同じです。要するに、本来、全く別の団体であるものに、町内会員は自動的に入会することになっているのです。
仕事一途の私が、こんなことを知ったのは、数年前、町内会の役員を逃れられなかったからです。しかも行きがかり上、町内会長をすることになりました。
しかし、私は集団の中で上手くやっていくことが苦手で、間違ってリーダーになり多くの人に迷惑を掛けたことも何回かありました。そこで、考えたのはリーダーシップを取らないリーダーになることでした。それが可能だったのは、幸運にも同期の役員が皆とても有能で尊敬出来る人達だったからです。自分では何も決めない優柔不断町内会長です。
これがかえって良く、優秀な役員の力によって、外部団体との関係を絶ち、町内会から個人の自由意志を無視した外部団体への自動入会をなくしました。