本の中に自分の考えと同じものを見つけ、最初は手放しで喜んでいて、ハッとこれは以前読んだ本だから、読書の記憶が消えてその内容だけが残っていたのかもと思うことがあります。
先日、ウィトゲンシュタイン全集を再読していて、そんなことがありました。彼の哲学に影響されて生まれた考えだと思っていましたが、もしかすると彼の言葉自体をそのまま覚えてしまい、元を読んだことを忘れてしまっていたのかも知れません。
しかし、その考え自体は現在の自分のものとなっています。それは、彼のケンブリッジでの講義を受けた学生のノートにありました。
「動機とはわれわれが問われたときに述べる正当化の行為である。」
これを、自分では、会話や文章が頭の中に既にあるもののコピーを引き出すこととは違うという考え等から引き出したつもりでいたのだけれども、どうなんだろう。
絵を描く動機を話せば嘘になるのか、そもそもそんなものは無いのか、こんなことを考えていること自体無意味なのか。

