巨匠の画集

雲

ルノワールについて調べたく思い電子書籍で画集を購入しました。欲しかったのは文献ではなく作品の図版だったので、掲載数の一番多そうなものを選びました。

その作品数は500枚以上あり、元々図版の画質には期待をしていませんでしたから、充分に役割を果たしてくれます。図版の極小さなカタログならいざ知らず、それなりに鑑賞できる大きさでこの枚数は、これまでの一般書籍では考えられません。

掲載数の非常に多い電子書籍は、ドガのに続いてふたつ目です。このような画集は、普通の鑑賞者にとって価値あるものかどうか分かりませんが、画家にとっては何か新しい影響を与えることはありそうです。

そこには、今まで知らなかった巨匠の意外なスタイルの発見もあります。でもそれより、想像を超えて作品の質の落差が大きいのには正直驚きです。

果敢な挑戦による失敗ばかりでなく、どう見ても単なる駄作もけっこうあります。もちろん、代表作を見れば、普通のしがない画家など遠く及ばないことは明白ですが、巨匠がたまに駄作を描くように、自分もたまに佳作が描ければ良いかなと、絵の失敗にあまり落ち込まないで良い気がしてきます。